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各話完全紹介 第1話〜第10話




第1話「素敵な魔女がやってきた」

初回放映 1974年4月1日 
   脚本 山浦弘靖   演出 芹川有吾  作画監督 荒木伸吾  美術 上田勇

魔法の国の時期女王になるべく、人間界に修行のためにやってきたメグ。傘を片手に空から降りてくるところから始まります。「メリー・ポピンズ」そのままの設定ですがファンタスティックなオープニングです。
ところが風が吹いてきてメグは墜落。町中に大騒ぎを巻き起こし、神崎家に転がり込みます。なんのかんのといって、やたらパンチラの多いキャラです。
なぜ神崎家かというと、先輩魔女のマミがいるから。彼女の魔法で神崎家の娘として「集団催眠」みたいな状態にしてもらい、神崎家の長女メグとして生活することになります。

パパは「神崎プロモーション」の代表。メグの弟がいたずらっ子のラビ、一番小さい妹がアポ。
神崎家は熱心なクリスチャンなのだが、魔女ってクリスチャンなんでしょうか?普通は違うと思うんですけどね。
メグには魔界から派遣された調査官のチョーサンがついています。最初こそ女王さまに律儀に報告してましたが、途中から妨害専門になってしまって、ほとんど趣味でやっているとしか思えないっす。ヅラで独身のスケベオヤジ。終わってるな〜。
チョーサンの手下のクロー(カラス)とフルフル(シャム猫)いつもドジばっかりですが、こいつらが出てこないと話が始まらないのも事実。

人間世界に来たばかりで馴染めないメグは、大喧嘩して神崎家を飛び出してしまいます。そこへあらわれたのがノン!荒木監督のノンはきれいすぎ!でも、思いきり性格がイヤなヤツとして登場してきます。魔法でメグを寒ーい海に叩き落したもんだから、メグは体が冷えてもう少しで凍死するところでした。神崎家の人々の必死の看護で一命を取りとめたメグは、家族のぬくもりを学んで神崎家の一員になるのでした。

というわけで
今週のノンは→性悪女だがめちゃ美人!


第2話「あの娘はライバル」
                             
初回放映 1974年4月8日 
   脚本 山浦弘靖   演出 岡崎稔  作画監督 端名貴勇  美術 伊藤英治

大松先生のクラス、3年A組に転校生が二人来ました。一人は神崎メグ、もう一人は郷ノン。この先生、かなり体育会系に思います。
ノンの里親は、かつてマミと女王の座を争った元魔女のキーラン。これがまた、典型的なザーマスで嫌味なオバハンなんですなあ。ノンが年取ったらこんなのになるんでしょうか。それなら相当ショックです。メグが年とってマミのような体型になっても、やっぱりショックですが。

キーランのご主人は画家なんですが、これがまた存在感のない亭主なんですねこれが・・・現代の世相を先読みしてましたね。ノンをモデルにして絵を描いています。
私も描きたいわ。彼女がモデルなら。
メグの親友はロコ。メガネが大きい典型的な三枚目であります。当初の設定ではこのロコが、食いしん坊で三の線の、「三人目の魔女」だったそうです。(イメージカラーは当然黄色でしょう)
もしこれが実現していたら「おジャ魔女ドレミ」の初期設定そのまんまになっていたかもね。

「ボス」といういじめっ子がクラスにいます。ロコの犬をいじめるうちに、なぜか火事になってしまい、助けに来たメグもピンチに。キーランは知らん顔ですが、ノンはキーランとは違って、友人のピンチを放っておくことはできない性格です(回によるけど・・・)
例のキメポーズで魔法を使い、メグとロコを助けに行くノン。
仮面ライダーの「サイクロン」そっくりの地響きを立てながら、ノンのバイクがロコとメグを助けに来ました。
「勘違いしないで、あたしはライバルのあなたが、こんなくだらないことで死ぬのを見ていられなかっただけよ」
というノン。思いっきり天邪鬼(あまのじゃく)ですが、彼女一流の強がりなんですねえ。

というわけで
今週のノンは→カッコよすぎでイイヤツすぎ


第3話「魔女がいっぱい」
                             
初回放映 1974年4月15日 
   脚本 雪室俊一   演出 設楽博  作画監督 木暮輝夫  美術 土田勇

アポがホウキに乗って魔女ごっこをしていて、落っこちそうになりました。メグが魔法で助け、彼女がけがをしないようにしてあげたのですが、それからが大変。アポはすっかり自分を魔女と思い込んでしまい、高いところから飛ぼうとします。それにしても異常なくらいに高いところから飛ぼうとするんですが、普通はありえない強引な展開(笑)

メグは魔法で助けたいが、それを衆人監視の中でやったら、自分が魔女だということがばれてしまいます。絶体絶命のメグ!

そこへ登場がノン。今回は本当にほんの一瞬の登場だけ。建物の陰からさりげなく魔法を使い、アポを助けて「フン」と言ってどこかへさっさと去って行きます。一人でおいしいとこ、全部持っていってしまいました。

というわけで
今週のノンは→抜群のタイミングで登場
        まるであなたは月光仮面


第4話「我が家の灯」
                             
初回放映 1974年4月22日 
   脚本 山浦弘靖   演出 出崎哲  作画監督 上村栄司  美術 内川文広

チョーサンの陰謀で、メグとノンが競争をすることに。先に目的地にたどり着いた方が勝ちなのですが、双方が魔法を使って抜きつ抜かれつの大バトルになってしまいます。

キーランが横から魔法で邪魔をしてノンが勝ちますが、ノンは怒って
「そんなことしてくれなくても、正々堂々と勝てるわよ!」と言い放ちます。このあたりにもプライドが高くて卑怯なまねが嫌いな彼女の性格が出てます。

チョーサンに乗せられてノンとバトルをした日は、実はパパの誕生日のお祝いの日でした。約束をすっぽかしたメグはマミにこっぴどく怒られ、雨の中を泣きながらさまよいます。

ここでノンが登場。なんと、メグの家に行ってマミに代わりに謝ります。
「今メグちゃんは公園で一人ぼっちなんです。お願いですマミ、行ってあげてください」
なんて頼むんだからびっくり!家に入ってくるときも
「勝手に入ってきてごめんなさい」
とわざわざ断りながらやってくるのも、律儀なノンらしいところ。ノンが中に入ってくれたので、神崎家の騒動は収まるのでした。

というわけで
今週のノンは→いつからそんないい子になったの?


第5話「愛の魔法使い」
                             
初回放映 1974年4月29日 
   脚本 今村文人   演出 鈴木紀男  作画監督 永樹凡人  美術 千葉秀雄

大魔術師Mr天空がやってきました。彼はマジックショーで得たお金を孤児たちに分け与える、とても奇特な人です。メグのパパが彼のマジックショーをプロデュースすることに。チョーサンに乗せられて、ノンはマジックショーに乗り込み、Mr天空と入れ替わって脱出マジックまでやることに。ところが、体を縛る鎖はチョーサンが魔界から取り寄せた特別製で、魔法が効かず絶体絶命。
なんでわざわざこんな馬鹿なことしに出てくるのかね。ノンは・・・。

友達の危機を見すごすわけにもいかず、メグは
「いじわるばかりするからこうなるのよ」
と言いながらノンを助けてやります。

命を助けられても、ノンは礼も言わず、
「メグ、私はあなたに私は勝ってみせるわ!」
と言うだけ。お前ねえ、頼まれもしないのにしゃしゃり出て、その上、勝手にドツボにはまっといて・・・それはないでしょうそれは。

先週のイイ子ちゃんから、わずか七日で相当バカになっています。

というわけで
今週のノンは→先週とは別人。頭まで悪くなっている・・・


第6話「パパは笑っちゃいられない」
                             
初回放映 1974年5月6日 
   脚本 辻真先   演出 茂野一清  作画監督 高橋信也  美術 伊藤英治

70年代もオヤジはつらいものだった。メグのパパがコンサートの依頼をしたリヒアルト・アイゼン氏は、超気難し屋で有名。すぐ演奏をほったらかしにして本国に帰ってしまうので、パパは腫れ物を扱うように大変です。

教室でもアイゼン氏の話題で持ちきり。文献を読むのはいつもノン。この3人が当初の設定では、女王候補の3魔女で競っていたなんて、意外ですねえ。その場合ロコにはファンはついたんでしょうか?私は間違ってもファンにはなりそうにもないですが・・・

魔法でパパのため、アイゼン氏の機嫌を取ろうとするメグに対して、ノンは
「また魔法をくだらないことに使うの?」
と挑発します。

メグも開き直って
「そうよ、悪い!?」
なーんて会話になりますが、アイゼン氏の死んだ孫娘が、偶然にもメグにそっくりだったことから、アイゼン氏も機嫌を直して、音楽家としての一番の基本「やさしい心」を取り戻させるのでした。
この回はこんな調子の人情話で、イイ感じですよ。

というわけで
今週のノンは→単に嫌味を言いに来ただけの女

先週に引き続いてこの二話ほど不調でしょ?あまりに物分りのよいノンになると、メグが食われてしまうという事情もあったんでしょうね多分。何しろ潜在能力はノンの方がはるかに高いから、下手をすると
「魔女っ子メグちゃん」→「才女ノンちゃん」
なんて番組に変わりかねないです。

このあたりからおかしくなってきたノンは次の第7話「わがあこがれのメグ」にて歴史に残る大暴走をします。結構楽しみでしょ?私も楽しみなんだなあこれが・・・


第7話「わがあこがれのメグ」
                             
初回放映 1974年5月13日 
   脚本 辻真先   演出 芹川有吾  作画監督 上村栄治  美術 内川文広

やってきました〜!!今日は有名な、「ノンが大暴走をする回」です。そもそもの始まりは、マケドニア大使の息子、ダニー・ハミルトンがテニスをするシーンから。
ダニーはメグに一目ぼれしますが、なぜかそのダニーにノンが興味を持つのです。あれだけ人間をバカにしていたのに、なぜ???

ダニーはひょんなことから、プールで不良たちにからまれますが、メグが魔法で助けてあげます。いかにも15歳という感じの、メグの水着姿。

それを見つめるノン・・・びっくりの新事実!!

その1 ノンは意外にも、ナイスバディであった
その2 思いきり大胆な水着であった
その3 赤色の水着が見事なくらい似合っていなかった

このあたりも、暴走しまくるノンでした。

デートしていたダニーは
「ヘーンな気分」
になってメグにせまりますが、メグは怒って逃げ帰ってしまいます。その娘の姿を優しく見つめるのがパパ。(この人は名前がわからないので「神崎のパパ」としか言いようがありません。「バカボンのパパ」みたいでちょっと変な感じですが)
神崎のパパがメグに、やさしく大人の世界を説いてあげるくだりは結構いい感じなのだ。これでいいのだ〜・・・いかん、赤塚先生の世界になってきてしまった・・・

それでまた、メグに振られたダニーを、こともあろうにノンが誘惑しまくるんですよ。
えーあなた!こんなこと信じられる〜???
織田無道の除霊なんかより、よっぽどウソっぽいでしょうが、この展開。

しかもまた、セリフがすごいのなんの

「メグなんかほっときなさいよ。あんなハナたれ娘。あたしはノンよ」

「可愛い顔、食べちゃいたい」

「ねえ、何かお話して・・・人が人を愛するって素晴らしいことなんでしょ?」

・・・・す、すごい、すごすぎる!!
それにしても、ノンにこれだけ言われて迫られれば、アタシなら1000分の1秒で落ちるよ。ダニーって奴はよほど目が悪いやっちゃなあ。

ダニーは父親がエスカリア国へ転任するので、日本を離れてしまうことになりました。メグはお別れのキスをします。
ノンは、何と、ダニーの乗っている飛行機を追って走り出し、転んで涙を流すのであります。

スタンリー・キューブリック監督の代表作に「博士の異常な愛情」というのがありましたが、この場合に当てはめるなら「郷ノンの異常な暴走」。
これは一体何としたことなんでしょうね。多分、「天中殺」と「バイオリニズムの底」と「重い生理痛」なんぞがトリプルで来た結果とか、そんな異常事態ゆえなんでありましょう。


というわけで
今週のノンは→もう空前絶後・驚天動地のプッツンぶり


第8話「やつあたりの天才」

初回放映 1974年5月20日 
   脚本 雪室俊一   演出 岡崎稔  作画監督 端名貴勇  美術 土田勇

前回あれほど楽しませてもらったノンが、何と今回は出ません。うわー!つまんないの・・・。
今回のお話は、「トオル」という子供が、飼い犬や飼い猫に「メグ」とか「アポ」とかいう名前をつけて、罵倒しまくることから始まります。アポなどはショックで寝込んでしまいました。

考えてみれば可愛げのないガキですが、母親が入院していて、その気持ちを紛らわせるためにこんな行動をしていたのでした・・・

というわけで
今週のノンは→本日休業

この話にはノンは出せませんよ。人情家のメグだからトオルの気持ちをほぐしてあげられて、最後はハッピーエンドになりますが、ノンが出てくるとややこしいことになりそう。

「何よ、母親が入院したくらいで。頼れるのは自分だけじゃないの。しょせんは一人で生まれて一人で死んでいくのよ。甘ったれたこと言ってんじゃないわよ」

なんて、トオルに説教して、トオルがしょぼくれて番組はおしまい。(言うことが当たっているだけに始末が悪いと思う)
となると、この回は10分で終わってしまう。
やっぱりノンは危険で出せなかったんでしょう。


第9話「まごころの歌」
                             
初回放映 1974年5月27日 
   脚本 安藤豊弘   演出 大貫信夫  作画監督 栄樹凡人  美術 千葉秀雄

小山タカシという子のことを神父さんから聞いたメグは、気の毒に思います。この子の父親はダム工事の出稼ぎに行っていて、音信不通の状態なんですね。父親は昔サーカスの花形のブランコ乗りだったそうですが、相方(タカシの母親)が転落死してから、父親は自信をなくし、出稼ぎで親子二人で暮してきたのでした。

ところが、この話を聞いたノン、意味ありげな笑いをしたと思ったら・・・。
よりによってタカシの父に先に会いに行って、二人で組んでサーカスの花形に返り咲こうと誘惑するのです。メグに
「そんな父親帰ってはこないわよ。人間の心なんてそんなもんよ」
と大見得を切った手前、こんなことをしたようですが、実に巧妙というか、やることがエグイねえ・・・

おまけにメグはチョーサンの陰謀で、変な手袋をかぶせられてしまい、魔法が使えません。
「坊やのお父さんは帰ってはこないわよ」
と勝ち誇って宣言するノン。

メグはあまりのことに涙を流しますが、その涙が魔法の手袋にかかると、たちまち手袋が蒸発(なぜなんだろう?)

父親も息子のことが忘れられず、タカシのところに帰ってきました。ノンは

「信じないわ!人間なんてくだらないのよ!」

と言い放って慌てて去っていきます。何か、このあたりになると「無理して人間を否定している」というか、必死になって「魔界の倫理観」を維持しようとしているようにも思えてきますね。何しろ魔界の女王になるには、より冷酷で意地悪になる必要があるのです。(チョーサンの見解などを聞くと、それがわかります)

この回に限らず、ノンの異常ぶりというのは、要するに人間世界の倫理というのが理解できずに面食らっているんでしょう。
まあそういう事情はわかりますが、今回のやり方はちょっと強烈!エデンの園でアダムとイブを誘惑した蛇みたいに狡猾(こうかつ)ですわ。

というわけで
今週のノンは→性格真っ黒の女じゃー。私の妻は大丈夫?


第10話「すばらしい気球旅行」
                             
初回放映 1974年6月3日 
   脚本 今村文人   演出 宮崎一哉  作画監督 神宮さとし  美術 伊藤英治

今度は気球で勝負をつけようとするノン。ノンはボス(やっと出してもらえましたね、この人。ノンと一緒のシーンだからとうとう出演できたようなものだけど)と組んで、メグより先に気球でアルプスを越えようとします。

メグの右横は、風巻勇次。70年代ファッションしてます。いまどきこんなヘアスタイルなら、暑苦しくって仕方ないよ。
えー、それはさておき、メグと勇次は、気球でアルプスを越えて、ふもとにある分教場に花の種を贈ろうとします。むこうの分教場では子どもたちが楽しみに待っているそうです。

無理をして気球を飛ばしたノンとボスは立ち往生し、メグに助けられてやっと生還します。これがまた、ノンの情けなそうな顔ったらないのよ。これまではこんな弱気な顔見せたことがなかったですが、このあたりから弱さも垣間見せるようになってきました。

助けられてからアポとラビに

「どうして花の種など欲しがるの?お金とか、分教場をそっくりもらったほうがうれしいでしょ?」

と必死で聞くノン。

ところが二人に

「そんなことないよ、花の種のほうがいい。みんなの心がいっぱい詰まっているから」

と言われて、大ショックを受けるノン。

何しろ彼女は魔界の学校の優等生だったので

「人間はくだらん」
「人間は金さえもらえれば喜ぶのだ」

なんてことをさんざん聞かされて育ってきているんです。それが正しいと信じ込んでいたのに、人間界に来てみたらどうも勝手が違う・・・おかげで、自分が何を信じていったらいいのか、だんだんわからなくなってきちゃった。
優等生ならではの苦労があるんですなあ。

ところで、メグにはどうしてこの苦労がないんでしょうか???

メグのファンの方には申し訳ないんですが、それはひとえに、メグは魔界の学校でちゃんと勉強してこなかったからでしょう。

ノンは「先生に教えられたのと違う」とか「教科書に書いてあったのと合わなーい」なんて戸惑って、このあとも回によっては悩みまくって、ノイローゼになることすらありました。

メグは授業のこともそんなに覚えていないから、人間界に来て慣れるのが早かったりして・・・独断と偏見ですが、言えてませんかねえ、これ。

というわけで
今週のノンは→人格崩壊の危機




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