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各話完全紹介 第61話〜第70話




第61話「雨降りおじさん」

初回放映 1975年6月16日 
   脚本 今村文人   演出 設楽博  作画監督 荒木伸吾  美術 土田勇

これを見終わって、「各話紹介」作るためにデータを見てみたら、荒木監督の回なんですね。道理でメグもノンも美人だと思いました。
魔界から傘の修理屋のツユスキーがやってきて、メグの町にすみつきます。彼がいる間は雨が降り続くのです。きっと雨乞いの踊りにたけたシャーマンなんでしょう(笑)

ノンはチョーサンのところに行って
「女王さまからツユスキーの見張りを頼まれているの。彼は町じゅうの傘を修理し終わらない限り、この町から出て行かないし、彼が出て行かない限り雨は止まないわよ」
と言います。

チョーサンは
「雨が続くと、持病の神経痛が出る」
という、実に情けない理由で町じゅうの傘を集めてまわるのですが、実はこれはノンのウソでした。女王さまから見張りを頼まれたというのもウソだったのです。

ツユスキーは子供好きなので、アポとラビはすっかり仲良くなり、いろいろな遊びを教えてもらいます。しかし、彼が町に居座る限り、雨が降り続いてしまうので、そのうち災害の心配が出てきてしまいました。

ノンはうそをついてツユスキーを町に引きとめたのでした。結構プロ根性のあるツユスキーは、傘の修理が終わるまで町は出て行かないだろうし、のろまな彼が傘を修理し終えるまでにはあと3ヶ月はかかります。つまりノンは、ツユスキーを引き止めて災害を引き起こすのがねらいだったのです。

注目すべきは、彼女の発言です
「わたし、考えたの。魔女は人間に災いをもたらす存在、だから私達の仕事は、いかに人間を困らせるかということなのだわ」

このサイトでも、白ぶーさまなどから
「そもそも、人間を馬鹿にしているならば、なぜ魔女が人間界に修行にこなければならないのかわからない」
という疑問が出されて、それに対して私は全くの思いつきで
「人間界を混乱に陥れるための破壊工作の訓練じゃないでしょか」
なんて、適当なこと言っていたのですが、なんと、その意見はずばりと正しかったのです。
(このノンの顔はかなりメーテルに似ている・・・妻の好みをいうとエメラルダスか・・・)

そうなんですよ!魔女っ子の人間界の修行というのは、ちょうど
「東側から西側世界に、破壊工作の訓練のためテロリストがやってくる」
のと同じだったのですね。
だからノンは執拗に人間を攻撃するわけで、魔界の常識からしたら、これは極めて正当な行動なんです。

本当なら文句なしにノンが女王に納まってしまうところなんでしょうが、現女王がやはり
「魔界というのは、人間に災厄をもたらすだけの存在でいいのだろうか」
という疑問をもっているようで、そのため、本来なら圧倒的に負けているはずのメグの評価が高く、女王が決まらない状態になってしまっているわけです。
「メグの世界観」に関する疑問がかなり氷解した回でした。
(それにしても荒木版ノンは美人すぎ)

で、ツユスキーを使って、人為的に災害を引き起こし、町の壊滅を狙ったわけです。
全くもって「帝都物語」の「加藤保憲」そっくりの作戦を考えたもんです。作品はこっちのほうが古いから元祖というべきでしょか。魔術を駆使する悪のスーパーヒーローって点でも一緒だし、「ノン=魔人・加藤説」っちゅーのも言えますな。

一方のメグは、ノンとは対照的で、ツユスキーとも実にフレンドリーになっちゃうし、彼を町から追い出すために会いに行くのだけど・・・

「おや、あんたが美人で有名なメグちゃん?」
なんていわれると喜んじゃって、ツユスキーと踊ってしまって「出て行ってくれ」というのを忘れる始末。このあたりがメグの庶民的というか、憎めない点ですけど。

二人が魔法をかけあいながら楽しく踊るシーンなどは、実に華があって素敵なものです。視聴率取っただけあって、とってもおしゃれでした。そりゃ70年代にこんなアニメ作ったんだから、ヒットしたのも当然でしょう。このセンスというか、おしゃれで粋なタッチは大したもの。さすが荒木作品というべきでしょか。

ところが!!!
川の中州にカエルをとりにいったアポとラビが、大水のために孤立して助けられなくなってしまいました。ツユスキーさえ町を出て行けば水はおさまるのですが、
「魔界の傘屋などは、人間を助けるために移動したりしては、重い罪になる」
という厳しい決まりがあるので、ツユスキーの立場を考えたメグは本当のことが言い出せません。このあたりも「魔界の者は、人間界に破壊工作のために派遣されてくる」という説を裏付けています。

土壇場でツユスキーは、カエルをとりにいったアポとラビのところに大水が出たのだろうと察しました。
「ありがとう、メグちゃん、あんた優しい子だね。私の立場を考えてくれたんだね」
「えっ!!ラビとアポちゃんが川の中に孤立しちゃったの!」
と言ってうろたえるノン。悪ぶっていても、悪役に徹しられないノンの性格がよく出ています。

「もう雨は大丈夫だ、ペンダントを見てごらん」
とツユスキーに言われて、メグがペンダントをあけて見てみると、二人が救出される模様が映し出されているのでした。

ノンもほっとしているのでした。やっぱり悪女に徹しられていないなあ。

「これから魔界の検察官に追われることになるわよ」
と言うノンに対して
「いやあ、逃げるのは慣れてる。それより、ちょっとはメグちゃんの優しさを見習ったほうがいいぞ」
「フン!余計なお世話よ!!」
「いやあ、それもまた結構、元気があっていいわい」
という会話をして、ツユスキーは去っていきます。
メグとノンの関係を非常によく表したシーンでした。

というわけで
今週のノンは→予想通りというか、魔界の破壊工作員だったのね
        実際には破壊工作できないだろうけど・・・


第62話「ま夜なか発・魔女の国ゆき」

初回放映 1975年6月23日 
   脚本 雪室俊一   演出 遠藤勇二  作画監督 森英樹  美術 伊藤英治

メグたちの町に「真夜中発・魔女の国ゆき」と書いた建て看板が建ちました。みんな興味深々ですが、メグとノンは「魔界をかたるなんて許せない!」といきり立ち、深夜12時のバスに乗り込むことにしました。真夜中のバスから出てきたのは、やけにチープな男。チープなはずで、実は新しくできる「魔女の国」という名前の遊園地の宣伝だったのです。

そんなこととは知らないメグとノンはバスをおいかけるわ、チョーサンはチョーサンで、魔界のメンツをかけてバスを追うのでした。実はこの宣伝を仕掛けたのは、メグの父親だったのです。奇抜な宣伝が功を奏して人はたくさんあつまりましたが、

「メグ、知らないこととはいえ、あなたのパパは大変なことをしたわね。私が報告しなくても、チョーサンがこれを女王さまに知らせれば、あなたのパパは・・・」

そーです、神聖な魔界をコケにしたということで、魔女の呪いがかかって、命はなくなるのでした。(こわい!!!)

「女王さまに知らせるのを一日だけ待って」
と、チョーサンに頼みに行くメグ。チョーサンは
「それではかわりに、これまで痛めつけられたお礼にギタギタにしてやる」
とメグを襲いますが、ノンにあっけなく倒されてしまいます(友情に厚い女じゃ)

そこでノンの出した結論は
「解決法はただひとつ。遊園地を破壊する!!」
というものでした。
「久しぶりに大魔法が使えるわ」
と、かえって喜びながら破壊魔法をかける帝都破壊の魔人、じゃない、ノンでした。
「仁王立ち」で破壊にいそしむノン。こういうのは実にぴったりするというか、この手の破壊活動向きの女デス。

魔法とは、要するに念力とか、精神力の一種なのだということが分かります。精神集中してペンダントに魔力を集めるノン!ノンのペンダントから強烈な魔力が放射されて、
関東大震災で壊滅する帝都東京・・・じゃないわ、大地震に襲われる遊園地でした。
それにしても恐るべき、本気を出したノンの実力!

遊園地の中にはアポとラビもおり、場合によっては命が危ない、
そう判断したメグはノンを倒します。

「自分がどんなこをとしたか、わかっているのメグ!?」
「わかっているわ、どんな裁きでも受けるわ」

さらに、地震に襲われて、
「魔界なんか嫌いだ〜」
と叫んだアポの声を聞き、メグは地震をしずめて、二人に魔界の様子を見せてやるのでした。

これは明らかに、前の回の設定などが意識されていますね〜。
メグとノンが「魔界から派遣されたテロリスト候補生」だったら、はっきり言って夢も希望もないというか、女の子に全然受けないストーリーになっちゃうわけです。

下手すると、そのうちメグは、魔界を裏切ってほれた男と駆け落ちしてしまい、そうすると魔界から刺客がどんどんやってきて、毎週、メグが刺客を倒して人間界を守る・・・なんてお話になってしまいそう。

「裏切り者の〜 名を受けて〜
 全てを捨てて〜 戦う女〜」

主題歌もこんな歌に変わってしまって、デビルアローだとかデビルウイングだとかの必殺武器で、追っ手をばったばったと倒していくとか、もうこうなると支離滅裂というか、全然女の子向きのオハナシじゃなくなるわけです。

「きれいだねえ」
「うん、魔界ってこんな素敵なところなんだね」
と感激する二人。ド素人に魔界の様子を見せたのですから、メグの罪はもっと重くなるのでした。

でも、「サリーちゃん」じゃ魔界には、マジで魔物がうようよしてて、モノホンの魔族の王女でしたけどね。サリーちゃんは。
「オシャレでセンスがいいこと」が作風の特徴の「メグ」だから、魔界の設定も必要以上にファッショナブルに変えられたんではないでしょうか。
「エクソシストの世界」から来た二人が主人公じゃ、視聴率は取れないと判断されたのか、前回の設定とは少し論理的に無理があるようにも思います。

女王様は例によってメグに甘く、
「魔界の様子を見せたのも、自分の出身地である魔界は、すばらしいところだということを知ってほしいという一念からでしょう。その気持ちに免じておとがめなしとします」
という採決でした。

「ノンの行動も、魔界を思えばこそと理解します。二人とも修行にはげむように」
ということで、一件落着。

結局、この二人は、二人でセットであるからこそ値打ちがあるわけで、女王に決めるならば、一月交代で仕事させりゃいいんじゃないんでしょうかねえ。
江戸時代だって北町奉行と南町奉行が交代で取り締まりやってて、北町は甘くって南町は厳しいっていう不文律が時代劇にはあるのです。あれとおんなじことを魔界でやれば、二人のキャラクターが補い合ってちょうどいいと思うけど・・・

というわけで
今週のノンは→帝都破壊に燃えました。あ、それは魔人加藤(しつこい)・・


TITLE : 郷ノンのファンページ・各話紹介ほか


第63話「七夕の青い星」

初回放映 1975年7月7日 
   脚本 雪室俊一   演出 西沢信孝  作画監督 荒木伸吾  美術 伊藤英治

この回はやけにメグが美人だと思ったら、荒木監督の作品なのね。荒木監督の作品らしく、「遠い国ゆき紙ヒコーキ」で出てきたゲストキャラ「勇太」が登場します。

ことの始まりは、マミのところに魔法の国からブルーレターが届いたことから始まります。このブルーレターは、人間界に来ている魔女に対して送られてくる試験のお知らせで、この試験に落っこちると魔界に強制送還されてしまうという代物。人間界で暮らすマミは魔法に自信を失っていて、試験に合格するはずがないといって弱気になっています。
→ここで突っ込み!マミの魔力は折り紙つきで、ラビが死霊に取り付かれかけたときは悪魔払いしたりしていて、メグが「ママがこんなすごい魔法が使えるなんて」って驚いています!

70年代のアニメらしく、設定の細かいとこがドンドコ変わってしまっていて、見るほうはかなり面食らいます(笑)

ところが、マミとメグの相談しているところを、勇太少年に目撃されてしまいました。ここは秘密の屋根裏部屋なのですが、勇太少年は夜空の星が見たくて、はしごをかけて登ってきたのでした。勇太少年の母親は昨年死んでしまって、死んだ人は夜空の星になると信じている勇太は、母親の星が見たくて夜空の星を見たがっていたのです。

屋根裏部屋の存在を魔法でごまかしたメグですが、勇太少年はそれが原因ですっかり自信を失ってしまいます。
「僕はノイローゼなんだ」
と落ち込んで、自分の家さえわからなくなってしまいます。
交番で
「これは本当に僕の家なんでしょうか」
と質問しておまわりさんを困らせる勇太少年。

そこへちょうどノンがバイクで通りかかります。普通なら補導されますけど、この格好を見て、誰も15歳とは思わなかったんでしょう。それにしても、61話のドイツ映画みたいなレインコート姿といい、この真っ黒のバイクスーツといい、ダーク系の色が似合いすぎです。

「メグ、いくら秘密を守るためとはいえ、あんな小さい子をノイローゼにするなんて、メグらしくないわよ!」
事情を勇太少年から聞いて怒るノン。

なんのかんの言っても、義理人情に厚いノンのこと。マジで怒っています。そんなことになっているとはつゆ知らないメグは困惑するだけ。

その後もすっかり、「自分はノイローゼになったんだ」と思い込んで落ち込みまくる勇太少年の前に、ノンが現れました。
「これはね、催眠術なのよ。君にはあの交番が電話ボックスに見えてくる!」
「ほらっ!どう?」
「うわあ、本当に電話ボックスに見える!!」
と言って驚く少年。実際には魔法使っているのですが、ノンは呪文を唱えないので、こういう「裏ワザ」にもつかえるのですね。

「ごめんね、お姉ちゃんが君のことからかって、ちょっといたずらしたのよ」
と、あえて悪役引き受けるノン。カッコよすぎ〜。
「うわあ、そうかあ!僕はノイローゼじゃなかったんだ!」
「そう、私のいたずらなの」

と言って、勇太少年を勇気付けてやるノン。これくらい優しいハートになってきてるんですね。ノンは人間界で暮らすうちに確実に成長しております。

ところが!
メグの家から星を観察させてもらおうとして、それを断られ、また勇太少年はやけを起こしてしまいます。
鉄塔に登って、そのライトを壊そうとするんです。このライトが邪魔で、お母さんの星が見えないからです。救急隊員が駆けつけますが、タッチの差で勇太少年が転落!きゃ〜!!!

「危ない!テクニカテクニカ!シャランラ!!」
我を忘れて魔法をかけるマミ。見事に効いて勇太少年は救急マットに無事着地し、怪我一つありませんでした。
「やったわ、ママ!!その必死な心が魔法の力の源なのよ!」
といって喜ぶメグ。おかげでマミはすっかり自信を取り戻して「ブルー・レター」の試験にもパスするのでした。

たびたび「各話紹介」で書きましたが、魔法とはやはり「念力系」のパワーなんですね。精神力がものを言う世界のようです。

というわけで
今週のノンは→むちゃくちゃいい人。優しいねえ
        いつからそんな優しい女になったの?


TITLE : 郷ノンのファンページ・各話紹介ほか


第64話「カナヅチ騒動」

初回放映 1975年7月14日 
   脚本 山浦弘靖   演出 新田義方  作画監督 神宮さとし  美術 千葉秀雄

ラビはカナヅチだったのです(本当かな?)泳げないラビですが、川で溺れている子を助けて、表彰されるということがありました。この子が溺れていた川が浅くて、足が立っただけなのですが、そのせいで周囲の者は「ラビは泳ぎが得意だ」と思い込んでしまったのです。本当はみじめなのだ・・・

ラビは好きな子から、プールの招待券までもらって、模範演技をすることになってしまいます。いつも喧嘩ばかりしているのだけれど、メグも弟思いです。魔法を駆使して「体が浮かぶパンツ」をこさえてやるのですが、これがまた例によって邪魔が入る。

ラビの憧れの子の前で模範演技となるのですが、例によってチョーサンがパンツをすり替えて、ラビの模範演技はさんざんな出来に終わるのでした。

実はラビの演技を見つめるギャラリーの、左端に注目(といってもDVDあたりで確認するしかないんだが)たった一コマで、番組を見ているときは気がつかなくて、この「各話紹介」作るのにスナップショット写していて発見したのですが、あの「若さま大騒動」のアホ若さまが出ています。

「若さま〜」の回も作画がへんてこで、ちょっと嫌になっちゃったんですが、今回もやっぱりそうでした。登場人物がコメディタッチというか、先週が荒木お耽美世界に耽溺してたので、落差に耐えられそうにありません(笑)

唯一美形と言えるのはノンくらいかなあ。この回。それでも、「61話・雨降りおじさん」のぶっ飛び美形ぶりとは雲泥の差です。荒木新吾氏の実力おそるべし。

今回ノンはほんのチョイ役で
「こういう汚い手を使うものといえば、わかるでしょ?」
と言うだけ。言われなくてもこれだけ妨害ばかりされていたら、普通ならチョーサンの仕業と分かるもんでしょうが、血のめぐりの悪いメグだけに毎回気がつきません。
メグはボケているわ、ノンはコロコロ性格が変わるお天気女だわ、いやはや大変なコンビです。

落ち込むラビを魔法で助けようとしますが
「それではラビのためにならない。あえて突き放すことも必要よ」
と、マミに言われて、メグはわざと悪態をついて、ラビが泳げるようにしてやります。

問題は最後のオチでして、水に落とされたメグが
「助けて〜、あたし泳げないのよ」
と叫び、今や泳げるようになったラビに馬鹿にされて、ちゃんちゃん、おしまい・・・
というオチでお話は終わります。

そ、それは絶対うそ!!!
だって、第8話「わがあこがれのメグ」(ノンが大暴走してメグの恋人を横取りしようとし、振られて涙を流すというとんでもないストーリーで有名な回)では、プールですいすい泳いでました!いくら子供相手とは言え、ウソかいちゃいけません。脚本のチェックが甘かったのね、というか、ノーチェックで気楽に作っていたのが70年代なんですけど。

というわけで
今週のノンは→単なるチョイ役。先週の1割程度の美人度数でした


第65話「夢のチンチン電車」
                             
初回放映 1975年7月21日 
   脚本 今村文人   演出 岡崎稔  作画監督 端名貴勇  美術 遠藤重義

メグたちの町に交通博物館があり、チンチン電車が展示されています。見学に来たメグはすっかりチンチン電車が気に入って、そこの管理のじいさんと仲良しになってしまいます。このじいさん、最初はおっかなそうだったのですが、話してみると気のいいじいさんでした。

「私、チンチン電車が好きになっちゃったんです〜」
と、例によって呑気なメグ。メグらしいと言えばメグらしいですが、じいさんには孫がいて、
「うちのおじいちゃんは、この町でチンチン電車の運転手をしているんだ」
と言い張ります。おじいちゃんは孫の夢をつぶすのもしのびないし、今ではチンチン電車はとっくに廃止されているとも言えず、仕方なしにうそをついてしまったのでした。

チョーサンが
「おじいちゃんはうそをついたんだ」
と吹き込んで、大変な騒動になってしまいます。(例によっていらんことしー)

メグは魔法でチンチン電車を夜に走らせようとしますが、夜中にチンチン電車が走ったりしたら、さすがに周囲はびっくりしてしまいます。そこでメグは・・・

「え?何ですって?ライバルの私に、自分が魔法をかける間、周りの人を眠らせてくれるように手伝えって?あなた、相当甘いわね!」
「わかったわよ!もうあんたなんかに頼まないわよ!!」
と怒りまくって立ち去るメグ。すると・・・いたずらっぽく舌を出しておどけるノン(メグには見えてない)

ノンの言葉を額面どおり受け取って、怒って帰ってしまうメグを見て、ノンはひとことも言いませんがこのシーンを見ただけで視聴者は
「ああ、これは助けに来るな」
とわかってしまうわけです。

スタッフが「メグ」について書いたコメントを最近読んだのですが

「ノンについては、最初かたくなで人間嫌いという設定が、だんだん人間界になじんできて、性格がやわらかくなってくるということを表現したが、やりすぎては元も子もないし、そのあたりの加減が難しかった」

ということが書かれてました。番組当初は敵役としての描写が強く、だんだん温和さややさしさが出てくるというのは、この「各話紹介」作っても痛感することです。

また、そんな事情もあって、ノンは性格がコロコロ変わるんでしょう。「ちょっと先週では優しい女にしすぎたなあ」と思えば、次の製作者側で「ゆり戻しが」あったりするのです。このあたりが「ノンが性格がコロコロ変わる事情」だったんでしょう。
そういう事情はさておき、とにかくこの回のノンは、ビックリするほどお茶目で、とっても人間くさくなってきてます

メグはやはり、魔法でチンチン電車を夜中に走らせることにしました。そうなると騒音でみんなが起きてしまいます。マミが必死で魔法をかけてまわり、みんなを眠らせますが限界があります。へとへとになったところで・・・

やっぱり出てきた、ノンねーさん!!(爆)
ノンと付き合うのが長くなってくると「これは絶対助けに来るなあ」なんて読めてしまいます。
所詮は「偽善者ならぬ、偽悪(ぎあく)者の女」なんですから

というわけで、孫へのウソも帳消しになって、チンチン電車のじいさんは立場も保てて、めでたしめでたしとなるのでした。

「本当ならこれを女王さまに報告すれば、メグは一度に女王候補失格なのに、出来ないよう!!」と嘆くチョーサン。いつもいつもメチャクチャにやられては、「マンガのお約束」通り、一瞬で治ってしまっているのですが、今回はダメージが大きかったみたいです。

というわけで
今週のノンは→ほとんど行動が読めましたねえ
        かなり人気が上がってきた証拠?

というのも、最近知ったのですが
メグの最終回は、本当ならば

「ライバルのノンにも勝ち、メグが女王の位につく」

というストーリーになるはずだったんだそうです。
ところが、いざ番組が始まってみると、以外にもライバルキャラのノンの人気がかなりのものとなり、番組制作の側としても無視できず、当初のストーリーが変更されて
「メグとノンが取っ組み合いの大喧嘩をして、両者引き分けでやり直し」
というラストに変わったということです。
それだけノンの人気が予想外に大きかったんですね。
何しろ、熱烈なノンのファンだったのが結婚にまでモロに影響して、20年以上たってからサイトまで作るやつまでいるのだから。うなずける話では?


第66話「霧の中の朝刊太郎」
                             
初回放映 1975年8月4日 
   脚本 雪室俊一   演出 山本寛巳  作画監督 木暮輝夫  美術 伊藤英治

メグの夢に王子さまが現れて
「僕と結婚してください」
と言って、白馬に乗せてくれる(超クセー展開やのう)王子さまの白馬に乗ろうとしたところで、落馬してズデン!
実際にはメグはベッドから落ちていたのでした。
「ああ、いいところだったのに〜!!」
と言って悔しがるメグ。
恒例のネグリジェ姿ですが、この頃になるとさっぱりネグリジェは透けなくなってきました。分厚いピンクの色です。なんか寂しいですねえ(←本音)

ところが、メグの夢に出てきた王子さまそっくりの、朝刊配達の少年が現れました。
実際には、新聞配達どころか、各家庭の新聞を抜き取るという、訳のわからない行動をする子で、メグまで犯人ではないかと疑われたりして大騒動になります。頭に来たメグは新聞配達の少年を待ち伏せてとっちめようとしますが、

そうなんです、一つ誤算だったのは
「犯人の少年が美形だった」
ということであります。この少年ときたら
「怒っている君の顔は素敵じゃないよ」
なーんて、キザなセリフブリブリ吐きまくるのですが何しろ美形だから許されちゃう・・・

「美形だったら、何してもいいのか!!!」
という視聴者の怒りの声が聞こえてきそうですが、これはある程度は言えている真実なんであります。

実際にも、アメリカの心理学者が統計をとって、このことを調べてみたそうです。
その統計とは

「被告が美人かそうでないかによって、判決結果は違うか」

というものですが、その差は歴然としたものだったそうで
「美人の被告か、そうでないか」
によって、申し渡される刑の重さは30%は違ったそうな・・・
要するに美人の被告なら
「かわいそうに、あんな美人が犯罪を起こすのには事情があったのだろう」
となり、とっても「不美人」の場合は
「し、死刑じゃああ〜!!」
というわけになってしまうんでしょう。

だからこの回の「朝刊太郎君」が、各家庭の新聞を抜き取ろうが
実態は幽霊だろうが、美形だと許されるものなんです。これが現実というものなのかも。

ちょうど一年前に交通事故で亡くなった「太郎」君の霊魂が、現世に思いを残してさまよい出ていたのですね〜。だから、ノンのバイクの光が当たったり、朝日がさしたりすると急に太郎君はいなくなるのでした。

太郎君が出てくるときは、必ず霧がかかります。
熱心に「各話紹介」読んでいてくださる人なら分かると思いますが、
この「朝刊太郎」の回は
ノンが純愛をするというので有名な、第25話の「幻の少年」の焼き直しなんです。
幽霊と恋愛するのが(厳密に言うとノンの場合は、相手の真岡ジュン君が危篤状態で、彼の「エクトプラズム」と恋愛してたんだけど)ノンからメグに変わっただけです。
相手の少年が出現する時に霧が出るという設定までそのまんまです。

「ちょっと!私はメグみたいに甘くはないわよ!!」
と言って魔法をかけるノンですが、甘くないというよりは、第25話で経験しているから、幽霊相手に恋愛しても仕方がないということを経験上知っているだけの話だったりして。

「あらっ!私の魔法が効かないなんて!」
と言って驚くノン。なぜか幽霊にはダメ!魔女のほうがそのへんの不成仏霊より能力は強いと思うのだが。

ノンの魔法は精神主導型みたいで、苦手意識があるとかからなくなるタイプのようです。かけ声が「エイッ」というところからしても、いかにも気合でかけている、という感じですから、
「犬」
「幽霊」
などといった、ノンが苦手としている相手に対しては効かないんじゃないかと思うのであります。(25話の『幻の少年』以来トラウマになったのではないかという)

「おかしいわね、これはどういうこと?」
なんてやり取りをしていると、また朝刊太郎が現れ、歩道橋から飛び降りました。車にひかれたはずなのに、死体も血のあともありません。オカルトー!!

ちょうどこの日は、一年前に太郎君が車にひかれた日なのでした。自分の死亡記事が新聞に載って、故郷の母親の目にふれたら、母が悲しむといって気にしながら息をひきとったそうです。そのことが心残りで、現世にさまよい出ていたのでした。ちょうど放映時期も夏のまっさかりで、ホラー調の展開ですなあ。

出来としては・・・うーん、どっちかというと、恋愛ものの傾向が強かった第25話の「幻の少年」よりは、この回は
「あなたの知らない世界」
「あしたに礼拝、夕べに感謝」
とか、
「一家そろってお念仏」
って感じで、恋の思い出にひたるよりは墓参りしたくなるというか、所詮は焼き直しのストーリーで、25話のほうが優れていると思います(事実、25話のほうは本放映の時にも再放送されているから、評判の回だったようです)

というわけで
今週のノンは→幽霊との恋愛には慣れててて、落ち着いてました。稲川淳二呼んできたらより迫力が出たかも


第67話「ギターと少年」
                             
初回放映 1975年8月18日 
   脚本 山浦弘靖   演出 新田義方  作画監督 谷沢豊  美術 遠藤重義

のっけから楽器店に泥棒の少年が侵入して、警備員に怪我をさせて指名手配になります。この子はギターを盗もうとしたのでした。警察に追われて倒れた少年を見つけたノン。
「フン、悪いことしたやつなんか、とっととつかまりゃいいんだわ」
と言うのかと思ったら、なんと、自宅にかくまって、学校休んで食事まで届けてやるのです!!

ガビーン!!(アタシャ妻にこんなことしてもらったことないぞ〜!!!)

一体ノンは、ど、ど、どうなってしまったのでしょうか!!

しかも驚いたことに、ノンが学校を休んだ日、マミちゃんが
「ノンちゃんが休むなんて珍しいわねえ」というと

「ノンみたいな点取り虫がいないと、せいせいしますねえ」
と言い放つメグ。
おいおいおいおい!!
一体どうなってるのよねん!これじゃ主役と敵役がまるっきり反対じゃないの!!

しかも、警察がノンの自宅に踏み込んできた時も(例によってチョーサンがタレこんだわけ)どーでしょう、心配そうな顔するんだなこれが。こんな顔も初めて見ましたって。
メグが驚いて
「ノンにもこんな優しい心があったのね」

と言うのですが、そりゃメグ以上にこっちは驚くわい。前々から情緒不安定な女でしたが、ここまで善人になっちゃうと、思い切り面食らいます。

以前にも書きましたが、
「メグの最終回は、番組スタートの時点では、メグが女王に納まってハッピーエンドとなる」
というものだったのが、放映を重ねるごとにライバルキャラのノンの人気があがってきて、製作者側としてもノンのファン層を無視できなくなり、とうとう最終回のストーリーが変更されて、
「両者引き分けで再試合」
というものになったんです。このストーリーにも、そのへんの事情が反映してるんじゃないでしょうか。

ノンのファンなんて変わり者は私くらいかと思っていたら、HP作ってみて驚いたほど、ノンのファンは多いんですよね。本放映の時もかなりのファン層がついたそうです。こうやって終盤にノンのほうが主役のストーリーができるほどですから、サブキャラでは史上最強かもしれません。

少年がギターを盗んだ理由は、心臓病手術を控える妹のためでした。妹にギターを弾いてやって、勇気づけるためだったのです。手術が成功しておとなしく自首する少年でした。

「さっきは世話になったけど、これからは本来のライバル関係よ!」
と言って、改めてメグに挑戦するノン。
しかし、今や視聴者はもとより、誰もそんな言葉信用しませんけど。

とはいうものの、ノンがこんなに「いい人」になってしまっていいのかなあという気がしますねえ・・・荒木監督の手がけた回は、ちょうどこれと反対で
「思い切り根性悪い女」
としてノンが登場してきますが、なおかつ
「思い切り美人」
でもあるのです。悪女の時のほうが美人ぶりが明らかに上というのが、ノンという女です。

個人的には荒木監督流の
「根性悪いがムチャクチャ美人」
のノンがベストなんですけどねえ。

というわけで
今週のノンは→ほとんど主役、というか、主役そのものでした


第68話「夏休みとあかんべぇ」

初回放映 1975年8月25日 
   脚本 雪室俊一   演出 芹川有吾清隆・寒竹  作画監督 木暮輝夫  美術 伊藤英治

メグたちはハイキングに行って、何気なく風車を買いました。ところがそのあとで、記念写真を撮ってみると、

なぜか、いつも子供が写っているのです。しかも必ずあかんベーをしています。どの写真にも登場しているので、幽霊か何かではないかと不気味がるメグのところに
「お前達が魔女だとばらしてやる」
という電話まで入ったので
「これは魔界の子供に違いない!」
と色めきたつメグとノンでした。

ノンはノンで、この子供を知っているのでした。彼女が昨年札幌に一人旅をしたとき、札幌の時計台の前で(実は私も昨年行ってきたばっかだよ、ここ)

「お嬢さん、モデルになってくれませんか」
とカメラを持った男から声をかけられたのです。
「いいわよ」
と答えるノン。

蛇足ながら、妻と一緒にこれを見ていて、二人同時に
「へー!ノンが!め、珍しい!!」
と言ってしまいましたけどねー。旅行に出たせいで気が大きくなってたんでしょう。

ノンは、白すぎる肌といい、顔立ちといい、どう考えても南方系じゃなくって北方系の女だから、故郷に帰ったような気がして、ご機嫌なのかもしれません。北海道とかロシアとか好きそう。

そうすると、そのノンの写真にも写ろうとしたんですね、この子。その時に逃げられたので、ノンは気になっていたのでした。

「私たちが魔女だと知っている者がいては、やっかいだわ」
と言うノン。共同で少年の正体を探ることになりました。

バイクで交番まで行って、少年のことを聞く二人。どう考えても捕まるよ!未成年のバイク乗車で!!というツッコミをしていたのですが、妻としゃべったところ
「このノンの格好を見たら、誰も15歳とは思わないから、これでいいのだ」
ということになってしまいました。(しかし夫婦でこんなアニメ見るかね、普通)

実際には、子供は魔界の者ではなく、普通の人間でした。母親が風車を売り歩いて相手になってもらえない寂しさに、観光客の写真に顔を出してうさばらししていたのです。

しかし、これはいくらなんでもすごすぎる!航空写真をとるヘリコプターにくっついていたのです。そんな、アホな!あんた『少林サッカー』に出演できまっせ(爆)

ヘリが故障して大惨事になりかけますが、二人の魔法で少年は助かりました。例の秘密の電話は、チョーサンが例によっていたずらでかけたものだったのです。

「ここはいっちょう、徹底的にむしるか」
「そうねえ」
と言って、チョーサンを前にしてニヤーと笑う二人。

ノンの顔といったらものすごいです!二人とも、チョーサンをいたぶることに生きがいを見出しているみたい。それにしても、番組開始当初に比べて、実によく笑うようになってきました。特に終盤に顕著ですね。

最初は「徹底的にむしる」という意味がよく分からなかったんですが、チョーサンは見事にパンツ1枚、しかもズラまでズラされて爆笑必至。これぞ元祖、オヤジ狩り。

「ハゲ」で「ズラ」で「独身」で、おまけに「のぞき趣味」でほとんど終わっているオヤジですが、ここまで毎週ボロボロにやられるともうほとんど立派の一言です。
ひそかに、美人二人にいたぶられるのを生きがいにしているのではないかと思うくらい(爆)

というわけで
今週のノンは→サディステックな場面になると、心底うれしそう


第69話「復讐犬シグマ」
                             
初回放映 1975年9月8日 
   脚本 今村文人   演出 岡崎稔  作画監督 端名貴勇  美術 千葉秀雄

メグたちの担任の先生が出張で、三日間はゆっくりできると喜ぶボス。
ノンは「こんなうるさいクラスで自習なんか出来ないわ」と怒って外に出ようとしますが、担任の代わりと名乗る、とんでもない女教師がやってきました!何しろボスの顔を思い切りムチでひっぱたくんです。

こんなのありかしらん。現在こんなことやったら、即新聞モノですう〜。このあたりが70年代ですね!ムチ持って
「私に逆らうとどうなるか、思い知るがいい」
なーんて、北浜晴子さんの声で言うのだから、ほとんど「キューティー八二−」の「シスタージル」そのまんまです。

キッとなって女教師をにらむノン。一言も発しないし、落ち着いたものですが反感はありあり。その上、この女はどうも、ノンとメグを目の敵にしているようで、廊下に二人をわざわざ立たせたりします。
(これって古典的な体罰で、現在やったら問題になるのよ〜 いかにも時代ですね。さすが70年代)

「もう、頭に来るなあ!」
と、単純に怒るメグに対して
「おかしいと思わない?あの女、私たちだけを目の敵にしているみたい」
と、ちゃんと現状を分析するノン。さすがは優等生。

同時進行のかたちで、町は「片目の凶暴な野犬」の話題で持ちきりでした。
「襲われたら危ないので、下校の時は集団で帰るように」
という指示が学校から出ますが、ノンは余裕しゃくしゃくで、
「あーら、大丈夫よ、ごめんあそばせ」
と言って一人で帰ってしまいます。
このあたり、高慢ですがかわいらしさも出てきてますね。番組開始当初に比べて。

ところが、何のことはない、ノンはしっかり襲われてしまって、しかも魔法は効かないし
「ノンちゃんの魔法が効かない犬がいるなんて、どういうことなんでしょう」
なんて、事件を伝え聞いたマミが言ったりします。
おたくのとこで飼っているゴンベエだって、ノンの魔法は効かないんだっての!忘れちゃ困る(笑)

実際には凶暴な野犬と思われたのは、魔界の番犬シグマでした。収容所を脱走した凶悪犯の女を追って、人間界に降りてきていたのです。脱走の際に妻(というか、メス犬ね)を殺されたシグマは、どうしても自分の手で捕まえて魔界に送り返すと言って聞きません。

女が誰に化けているかわからないので、魔女のにおいがする者には襲いかかってしまっていたのでした。深手を負って廃屋に逃げ込むシグマですが、女教師の通報で、警察がやってきて、野犬として射殺しようとします。

シグマはメグが逃がすことにして、ノンは警察を煙にまきます。
「え?野犬?そんなものいませんでしたよ」
「あたしのミーコちゃんが、ここに逃げ込んだんで隅々まで探したのに、何もいなかったのよん」
と、おっそろしくカマトトぶるノン。
(むっちゃくちゃイメージが崩れてしまう〜!!)

「おかしいなあ」
と、あっけに取られる警官を見て、余裕しゃくしゃくのノン。
やっぱり、このような「悪女系」の方がよほど似合ってます。

女のムチは、先端が刀状になって何でも切断してしまうという、かなり危ないもの。
「ターミネーター2」の「液体金属ロボ・T−1000」みたいで、こりゃアブねえなあ、と思ってましたが、シグマが捨て身で倒し、魔界に連れ帰ることに成功しました。
まずはめでたしめでたしといったところです。

というわけで
今週のノンは→カマトトには違和感がありすぎました


第70話「大凧よ海風に舞え」

初回放映 1974年9月15日 
   脚本 松岡清治   演出 西沢信孝  作画監督 安部隆  美術 伊藤英治

メグたちは、凧揚げの名人の吾介じいさんと知り合いました。このじいさんの凧は一世を風靡したらしいのですが、最近は後継者が途絶えて、誰も凧揚げをしなくなってしまったそうです。70年代ですら、伝統芸能の後継は難しくなっていたんですね。現在なんかもっと危機的状況でしょう。

「メグ、また人間におせっかいなの?そんなことにかかわってばかりだと、女王の座は私のものよ」
と、例によって嫌味を言って立ち去るノン。これで終わりかと思っていたら、チョーサンに入れ知恵されて、
「メグったら、大凧に自分の名前を入れて揚げ、自分が女王になれるようにお祈りするつもりなんですよ」
と聞いたら、とたんに、

「凧に自分の名前を入れてお祈りだなんて、許せないわ!」
と憤り、メグの妨害を決意するノン。
毎回毎回チョーサンの入れ知恵はウソに決まっているのに、それに気がつかずに最終回の2話前に至っても、コロッとだまされるノン。メグの血の巡りの悪さも相当ですが、ノンはノンで全然学習能力がない女です。

それに、別に凧に自分の名前書いたくらいで怒るようなものじゃないと思うんですけどねえ。寺の鐘に彫り付けた文面にケチつけて、豊臣家滅ぼした徳川家康みたいなセコさです。

ちょうど折り悪く、当の吾介じいさんは病気で倒れて、入院してしまいました。「病は気から」のたとえ通り、大凧を揚げてじいさんを勇気づけようと頑張るメグたち。そこへ、学習能力のないノンが別の凧を引っさげて妨害をしに来ます

やむなくノンを倒して事情を説明するメグ。
「大凧に自分の名前を入れてお祈りなんて、卑怯だわ」
(なんで卑怯なのかさっぱり分からんけど)
と言うノンに対して、メグは魔法で大凧の字を拡大してやります

そこには「アポ」と「ラビ」の文字が。何で二人の名前を入れるかという必然性もないような気がするのですがとりあえずノンの疑惑は勘違いだったということが分かりました。(よく分からん脚本だ)

そこで、ノンも協力して大凧を揚げることに。近くに「大凧記念館」というのがあって、凧で町おこししているところがあるので、ちょっと知っているのですが、大凧あげるのってムチャクチャ大変なんですよ。
屈強の男が何人もいるので、実際にこの程度の人数であげられるかというと大いに疑問なんですが、まーアニメなんで、よしとしましょう。

「揚がった!ノン、ありがとう」
と言うメグに対して
「フン、自分が勘違いした借りを返しただけよ」
と言ってバイクで去っていくノン。
彼女の扱いは心得たものなので、ニコニコとしているメグでした。

「おお、凧が飛んどる、わしの凧が・・・」
と言って、窓の外をのぞく吾介じいさん。
かなり容態が危なくって、この調子じゃすぐ死んじまうんじゃないかと心配になるくらいだったのに、凧を見たとたん急に元気づくじいさんでした。

「凧が揚がったぐらいでそんなに病気がよくなるわけないだろ」
と思う人がいるかもしれませんが、病気で気弱になっていると、ホントにこういうことで急に元気ついて、別人みたいに元気になったりします。じいさんの病室はフィルターがかかって、とっても雰囲気が出てました。

というわけで
今週のノンは→あいかわらず進歩がありません。
        だいたい砂漠でバイクには乗れないっての


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