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チャッピーのミニサイト

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チャッピー概論
登場人物紹介を作りながら私も実感したのですが、人物の設定はほとんど「サリーちゃん」の世界そのまんまです。大体、チャッピーという主人公自体、魔法の国のしきたりに嫌気がさして、人間界に降りてくる魔法使いの女の子ですから、サリーの設定とほぼ同じです。
ですから、言うなればチャッピーは、サリーのリメイク作品といえなくもないわけです。当時、いろいろな方向にチャレンジしたものの、視聴率的な結果が出なかった東映が、原点回帰の意図を明確にして作ったのがこの作品ですから、それも当然といえば当然ですけどね。
サリーで受けたストーリーを、6年後に出したところ、やはり受けたんですね。考えてみればサリーというのは、ヒットする要素を全部もっていた大変な作品だったんですね。

サリーのヒット要因だけではなく、「アッコちゃん」のヒット要因もたくみに取り込まれています。その代表がドンちゃん。私の妻など、ドンちゃんしか覚えていないくらい強いインパクトのあるキャラです。これは「アッコちゃん」のペットの「シッポナ」の設定なんですね。
今や、ややもするとドンちゃんばっかり顔が売れている状態というのは、例えて言うなら「スヌーピー」と「チャーリーブラウン」の関係みたいなもの。主人であるチャーリーブラウンよりも、スヌーピーのほうが100倍くらい有名でしょ!?あれと同じだったりして・・・

さて,サリーちゃんの設定そのまんまの作品世界とも言えるチャッピーですが、では、だからといってこの作品がリメークに終始したかというと、とんでもないんです。
これはシリーズ後半に特に顕著なんですが、公害問題とか、社会問題とか、ドラマ自体は社会問題を取り扱ったシリアスなテーマが数多く描かれているのです。登場人物から受けるイメージとは裏腹といっていいくらい。

チャッピーは当たって、シリーズも事実上延長になり、これまで離れていた男の子の視聴者の呼び戻しにも成功しました。あまり知られていませんが、なかなかの実力を持った内容の濃いシリーズなのです。ヒットする作品は、さすがに作りもしっかりしていて、ヒットするだけの内容をちゃんと持っているものなのです。

ではなぜ、現在チャッピーがやや忘れられた存在になってしまったのかというと、次の3点が考えられます

その1  「サリー」や「アッコちゃん」のほうがメジャーなので、そのリメイクともいえるチャッピーは、どうしても印象が希薄になってしまう。「レプリカ」よりも「オリジナル」に人気が集まってしまう原理と同じです。

その2 社会的な深刻なテーマを描くという風潮が、最近のアニメにはほとんど見られなくなったこと。よりライトな感覚のアニメが受けるようになってきてしまったわけ。「魔女っ子メグ」も、どちらかというとライト感覚の傾向が強くて、それでヒットしたのも事実ですし・・・

その3 当時の東映のお家事情が関係していること
当時の製作会社の東映では,労働争議の真っ最中でもめにもめたそうです。その影響はチャッピーの製作現場にもおよび、後半はアニメの製作が外部の受注会社に回されることが多々あったそうな。受注会社に詳しい設定やストーリーの流れが分かるわけがなく、そのせいで後半のお話はむやみにゲストキャラが登場してそれを中心に展開されるようになり、ストーリーが途切れ途切れになってしまったんだそうです。もっとも、昔のアニメってのはその点はかなりバラバラなものが多かったんですけどね。メグなんかもかなりいい加減で、設定年齢が途中で変わっちゃったのは有名(笑)。でも、このチャッピーもいい加減というかぶっ飛びというか、一回だけですが主演の声優さんが増山さんじゃなくて、まるっきり別の人がチャッピーの声を当ててる回もあってビックリでした。今じゃこんなこと考えられないでしょう。


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